凡例

I. カタログ

I-1. カタログ・レゾネ

カタログ・レゾネは、一般財団法人奈良美智財団(以下、財団)が調査・管理する奈良美智作品のオンライン・データベースである。奈良美智が発表した作品の記録を目的とする継続的なプロジェクトであり、各レコードは新たな情報が確認されるたびに随時更新される。
各項の説明は以下のとおり。

No.
収録されるすべての作品には、YNFで始まるカタログ・レゾネ番号が付されている。YNFはYoshitomo Nara Foundationの略記である。
Plate
作家またはギャラリーなどが作品管理のために撮影した写真を掲載した。平面作品については、作家自身が額装した作品に限り、額を含む全体写真を掲載している。立体作品については、可能な限り複数の写真を掲載した。空間作品については、展示風景写真を掲載する場合がある。
特記すべき場合を除き、本項目に掲載する作品写真には撮影者名および写真提供者名を記載していない。また、一部の写真は展覧会カタログや作品集から転載したものであるが、その出典は記載していない。
Title
奈良本人が付した題名を「Title (Original)」として掲載し、作家または財団が公認する題名およびその訳(日本語、英語、その他の言語)を「Title (Translated)」として併記した。
Co-artist
共同制作を行った作家名を記載した。奈良は、松井紫朗、村上隆、David Shrigley、杉戸洋などの多くの作家と共同制作を行っている。
杉戸洋とは、両者が尊敬するマルク・シャガールとポール・ゴーギャンの姓を組み合わせた造語「シャギャーン」というクリエイティブ・ユニットを結成し、共同した。奈良はアンリ・シャギャーン、杉戸はピエール・シャギャーンという名で活動し、それぞれ自身とは異なる作風で制作している。
奥山三彩、国松希根太、小助川裕康とは、2020年に飛生でTHE SNOWFLAKESというアーティスト・コレクティブを結成した。
Year
作品が完成した年を記載した。立体作品は、作家が制作した原型の完成年および各エディションが鋳造された年を記載した。版画は、印刷年、または奈良美智本人がB.A.T.(bon à tirer:校了見本)もしくは校了刷りに書き込んだ年記に基づいて記載した。
Technique and material
作品に用いられている材質を、英語で記載した。
作家自身が裏打ちを施した(mounted)作品については、基体となる一次支持体(木枠、板など)と、その表面に貼付された二次支持体(カンヴァスなど)の情報を記載した。
収集品や日用品によって構成されるインスタレーション作品の素材表記は、「インスタレーション(ミクストメディア)/Installation (mixed media)」に統一した。
財団が特記すべきと考える事項は「Notes」に記載した。
支持体に特殊な材料が用いられる場合は素材名を記載し、「Notes」に既製品の名称(窓枠、封筒、段ボール、カーテンなど)を補足した。
支持体としてではなく、作品構成の一部として特殊な素材が用いられている場合は、コラージュ/collageとした。
Inscription
作品の表面にある書き込みのみ記載した。記述内容は訳出せず、表記どおりに記載した。
Size
単位はセンチメートルとし、平面作品は高さ×幅(H × W)、立体作品は高さ×幅×奥行き(H × W × D)の順に記載した。ただし、平面作品の場合でも、作家自身が額装を施した作品や、作品の背面に固定具を取り付けた作品、厚みに意図が認められる作品は、奥行きも併記した。寸法が可変または概数である場合は、その旨を付記した。
Edition
限定数を設定し、同一の原型ないし版から複製された作品、かつ作家がサインを入れたものとした。エディション総数およびアーティスト・プルーフ総数を記載した。立体作品には鋳造または制作を担当した工房名を、版画および写真には刷り師または出版社名を、判明する限り併記した。エディションによって寸法が異なる場合は、最初に完成したエディションの寸法を登録し、必要に応じて各エディションごとの寸法を「Notes」に記載した。
Collection
公共性を持つ諸機関(美術館、文化機関、個人コレクション等)のみを記載した。エディション作品については、判明している限りでエディション番号を併記した。なお、作家蔵については記載していない。
BSS No.
BSSから始まる番号は、『Yoshitomo Nara: The Complete Works』(美術出版社、2011年刊行、本サイト内では「BSS2011」と略記)に掲載された作品番号に対応している。
Studio No.
作家スタジオが管理のために付した番号を記載した。
Notes
素材や形状など上記項目に記載しきれなかった情報を個別に記載した。また、奈良美智自身が定めた共通のテーマや設定を有する一連の作品群を「シリーズ」とし、ここに記載した。各項目の内容に関する修正または更新は、その日付とともに記載した。その他、特筆すべき事項がある場合は適宜追記した。
Related works
複数の作品で構成されたもの、および発表後に形状が変化したものを「Related works」として扱う。
複数の作品で構成されたものとは、作家が展覧会などで複数の作品を1点の集合作品として発表したものを指す。各構成作品および集合体全体にそれぞれYNF番号を付し、相互に関連作品として紐づけている。
インスタレーションは、全体を1点として登録するとともに、構成要素も個別に登録し、それぞれを関連作品として紐づけている。構成要素は作品のみを登録対象とし、日用品やオブジェなどは含まない。作家が未完成と判断したものは登録の対象外とした。なお、構成要素を個別に登録していないインスタレーションもある。
構成要素の欠落、不足、分離などにより本来の構成を欠いた状態を、「ブレイク」と記載した。
展覧会等での発表後に形状が変化したものは、変化の前後をそれぞれ別作品として登録し、詳細を「Notes」で説明した。
発表後に加筆されたものは、一部を除き加筆後の状態を登録の対象とし、加筆前の状態の写真も併載した。

絞り込みに関して

各作品について、絞り込み検索に用いるTheme(分類)、Type(素材)、Period(時代)の情報を記載した。

検索フィルター

Keyword(キーワード)、Year(制作年)、Size(寸法)による検索に加え、作家の多様な表現を参照しやすくすることを目的とし、財団が独自に設定した絞り込み検索機能を設けている。なお、すべてのエントリーに分類が付されているわけではない。

主要作品

作家にとって重要な作品や広く知られた作品をまとめている。

Theme

制作手法を、財団が独自に分類したものである。各分類に付した解説文は石川嵩紘(批評家)による。

Type

作品理解の一助とするため、財団が独自に作品に用いられている支持体の素材ごとに整理した。作品種別を大分類とし、その下位に素材を分類した。

Periods

奈良の制作環境および関心の変遷を時代ごとに示した。

  • 近年の活動

    2024年3月〜

  • 故郷への回帰

    2018年〜2024年3月

  • 3.11以降・北への旅

    2011年3月11日〜2017年

  • 那須

    2005年〜2011年3月10日

  • 東京

    2000年8月〜2005年

  • ケルン

    1994年6月1日〜2000年7月

  • デュッセルドルフ

    1988年5月28日〜1994年

  • 愛知

    1981年4月1日〜1988年5月27日

I-2. パブリック・コレクション

  • 美術館や文化機関、公共性を有する一部の企業・個人コレクションにおいて、作品が公開されているものをパブリック・コレクションとした。掲載情報は財団所蔵資料および、奈良または財団による調査に基づく。コレクション名は、和英を基本とし、所蔵先の所在地で使用されている言語による名称も一部併記した。
  • 美術館や文化機関は、作品の所有者の名称を掲載した。作品の所有者と公開地が異なる場合は、公開地の名称を「Notes」に記載した。
  • 企業および個人コレクションの名称は、所蔵が決定した時点で提供された資料に基づいている。記載内容に誤りが認められた場合は、財団まで連絡されたい。
  • エディション作品については、判明する限りエディション番号を記載した。
  • 公開情報に修正があった場合は、「Notes」にその内容を記載する。なお、新たに情報を追加した場合は、更新日などの詳細は記載しない。

絞り込みに関して

  • テキストボックスによる自由入力検索(Keyword)のほか、国/地域・コレクション名によるソート機能(Location, Collections)を設置した。

I-3. 公式グッズ・出版物

  • 奈良または財団が把握する奈良が作品画像を提供したグッズ、書籍、CDなどの情報を記載している。
  • 各グッズには、プロダクト番号(PRD)が付されている。タイトルは必ずしも正式なグッズ名を示すものではなく、企画や制作の背景、形状などに関する情報を付記している。
  • 展覧会を機に発売されたグッズには「展覧会のタイトル(会場名)/商品種別および仕様」、それ以外で発売されたグッズに関しては「企画者名/商品種別および仕様」を記載している。なお、一部のグッズについては、企画者が命名した商品名を記載している。
  • 「Category」は、各グッズの企画背景に基づき、財団が以下のように分類した。
    オリジナル(定番グッズ)、展覧会(展覧会グッズ)、ミュージアム(ミュージアムグッズ)、チャリティ(奈良が著作権使用料を寄付したもの)、音楽イベント(音楽フェスティバルのグッズ)、アーティストコラボレーション(デザイナー、ミュージシャン、アーティストとの共同によるもの)、コラボレーション(製造時にメーカーと共同で制作されたもの)、特別付録(書籍の付録やノベルティ)、その他(上記のいずれにも該当しないもの)。
  • 画集・著書は、展覧会図録を含む画集、共著を含む著書を掲載している。特集や表紙などで奈良が大きく取り上げられている雑誌は、著書に含めた。画像提供には、第三者による創作物や雑誌の表紙などに作品図版が使用された事例を掲載している。雑誌への画像提供については、財団の判断により著書または画像提供として分類している。チャリティとして制作されたものであっても、展覧会や音楽イベントの機に制作されたものに関しては、それぞれ展覧会、音楽イベントに分類している。奈良が著作権使用料を寄付したものは、「Notes」に記載している。
  • 「Type」は、財団が独自に設定した商品種別に基づき分類した。
  • 「Year」は、発売年を記載している。オリジナルについては日付を掲載していない場合もある。
  • 図版は主として財団が撮影したものを掲載しているが、一部には企画者から提供された図版を含む。両者の区別は明記せず、撮影者のクレジットも掲載していない。掲載内容に問題が認められる場合は、財団まで連絡されたい。
  • 公式に制作されたグッズで、本アーカイブに未掲載のものが認められた場合は、財団まで連絡されたい。

絞り込みに関して

  • ソート機能のほか、テキストボックスによる自由入力検索(Keyword)を設置した。
  • Category(カテゴリー)およびType(商品種別)を検索用フィルターとして設置した。なお、出版物(音楽、映画を含む)については、今後公開予定の「Library」の文献データベースへ移行する予定である。そのため、本データベースでは便宜的な分類を採用している。

II. 展覧会

  • 財団が把握する個展、二人展、グループ展のほか、固有の展覧会名を有する常設展を掲載している。
  • 各展覧会の形式分類は、以下のとおりである。
    • 個展とは、奈良の作品のみで構成される展覧会とする。原則として、奈良本人がテーマを設定し、出品作品の選定および展示構成を行ったものを対象とするが、奈良が企画に直接関与していない展覧会も一部含める。
    • 二人展とは、奈良ともう一人の作家の作品で構成される展覧会とする。原則として、両作家がそれぞれ出品作品を選定し、展示構成を行ったものを対象とする。ただし、奈良が企画に直接関与していない展覧会も一部含める。また、奈良とgrafによる展覧会は個展として扱う。
    • グループ展とは、3人以上の作家の作品で構成される展覧会とする。原則として、キュレーターが企画および展示構成を行ったものを対象とする。なお、奈良が企画に関与していない展覧会も一部含める。
    • 特集展示とは、美術館が所蔵するコレクションを活用し、テーマを設けて企画・開催する展覧会を指し、所蔵作品を中心に構成される常設展示も本項に含める。アートフェアでの展示は原則としてデータベースに含めないが、奈良自身が企画や構成に関与したものについては財団の判断に基づき本項で扱う。
    • その他の展覧会とは、上記に含まれないもののうち、奈良がキュレーションを行った展覧会やイベントなどを指す。
  • 財団所蔵資料に基づき、財団が把握する範囲で以下の情報を公開している。
    「Title (Original)(展覧会タイトル)」、英語および英語以外の言語を含む「Title (Translated)(公認訳題)」、「Venue(s)(会場)」(開催都市名を現在の呼称で併記)、「Organizer(s)(主催)」、「Sponsorship(協賛)」および「Curator(展覧会開催時の担当学芸員)」
  • 収録されるすべての展覧会には、EXHで始まる展覧会番号が付されている。
  • 各項のデータは、開催された当時の資料をもとに掲載している。名称が変更になった美術館やギャラリー等組織名の名称の変更は、可能な限り「Notes」に記載した。
  • 展覧会タイトルは、日英を基本とし、原題とその翻訳を可能な限り併記した。
  • 会場名は、開催時の名称を日英を基本として記載した。現地語表記とその翻訳、また名称変更は、可能な限り「Notes」に併記している。
  • 公開する図版はすべて、奈良または財団が各美術館および主催者より提供され、掲載許諾を得たものである。一部、展覧会カタログから転載した図版を含む。提供時に示された掲載条件に基づき、クレジットラインを明記している。内容に誤りが認められた場合は財団まで連絡されたい。
  • 巡回展は会場ごとに1展覧会として登録し、「Tour(巡回)」として相互に関連付けている。ただし奈良の作品が出品されなかった巡回先は登録していない。詳細は「Notes」に記載した。
  • 各展覧会の詳細ページでは、財団の調査および資料に基づき、「Exhibited works(出品作品)」を「Catalogue(カタログ・レゾネ)」の各エントリーに関連付けて掲載した。
  • 一部の展覧会には、石川嵩紘(批評家/日本語ページ)、Clare Preston(編集者/英語ページ)による解説が掲載されている。
  • 絞り込み検索の「Locations(所在地)」は、開催された国・地域名を五十音順で掲載した。複数の都市に拠点を有するギャラリーは個別に登録している。
  • 原則として、個人コレクターのコレクション展は掲載対象としないが、一部については財団の判断により掲載した。
  • 公開情報が修正された場合は、「Notes」にその内容を記載する。

絞り込みに関して

  • テキストボックスによる自由入力検索(Keyword)のほか、フィルター検索(主要展覧会、記録画像の有無、解説の有無、出展作品リストの有無、Year(年代)、Type(展覧会の種別)、Locations(開催地))の機能を設置した。

III. 年表

  • 奈良美智の美術家としての活動、個人的な出来事について記載した。その創作表現について、より深く理解するために役立つことを目的としている。『奈良美智:The Beginning Place ここから』『ユリイカ 総特集*奈良美智の世界』『美術手帖』『奈良美智完全読本 美術手帖全記事 1991-2013』『ちいさな星通信』を中心に、奈良のインタビューやインターネットでの発言など関連資料を参照し、編集を行った。
  • 各年の区切り年齢の表示は満年齢を基準としつつ、作家の生月が12月であるため年間のほとんどが満年齢ではないことを考慮し、[〇-◆歳]とした。
  • 一部の名称は、財団が付した表記を用いている。
  • 年表に掲載している図版は、作家が個人的に保有する写真・資料、各美術館ならびにギャラリー、関係者より提供のあったものを基にしている。
  • 美術家としての活動は、主要な展覧会の開催や出品、作品の制作、書籍の出版などについて記載した。
  • 日常的な出来事は、出生地ならびに居住地、家族や交友関係、音楽についてなど記載した。
  • 同時代の社会の出来事は別稿にまとめた。特に奈良の創作にとって影響を与えた出来事については、年表に掲載している。
  • 記事内容は財団所有の資料および調査結果に基づいている。事実と異なる場合は情報を提供されたい。