Chronology
1980 20-21歳
大学1年生の終わりの2月から5月にかけての3カ月間、次年度の学費を使い込みヨーロッパ(フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペイン、ポルトガル)とパキスタンを一人で放浪する。海外の美術館で名画を鑑賞する中で、「絵そのものに感動しているのではなく、印刷で見ていた作品の本物を目の前にして感動している自分」に気づく。
徐々に絵画鑑賞の新鮮さは薄れ、奈良は宿泊先のユースホステルで出会った同世代の若者たちと、映画や音楽について語り合う時間に惹かれるようになる。そうした実生活に根ざしたサブカルチャーには、言語の壁を越えてイメージや感覚を共有できる力があり、美術のような専門的な学問とは異なるリアリティを感じていた。技術と自己表現が必ずしも一致するわけではないことを実感し、生まれ変わったような気分で帰国する。
出典
- 奈良『ちいさな星通信』pp.23-27
- 『疾駆』9、pp.22-23
- 奈良「半生(仮)」『ユリイカ 総特集*奈良美智の世界』pp.239-240
- クーン、河野『終わらないものがたり』p.22
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社会の出来事
- 1980
- 5月、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議し、モスクワ五輪をボイコット。日本も不参加を決定。12月、ジョン・レノンがニューヨークで射殺される。