Chronology
2003 43-44歳
1月から2月にかけてパリに滞在し、パリ国立高等美術学校の客員教授を務める。
予備校時代の教え子であり、親しく交流を続けていた画家・杉戸洋とともに奈良はウィーンで3度の滞在制作を行う。共同制作による作品も生まれた。
大阪のデザイン会社、クリエイティブ・ユニットgrafとのコラボレーションが始まる。奈良は「古いものには時間が物理的に染みついている」と語り、廃材の質感を生かした小屋のインスタレーションを制作した。大阪のグラフメディア・ジーエムで開催された「S. M. L.」展では、S・M・Lの3サイズから成る小部屋を会場内に設け、それぞれに作品を展示するとともに、滞在制作を行った。以後もgrafとのコラボレーションは続き、世界各地の展覧会で小屋のインスタレーションを発表していく。
grafとチームを組んで行った活動を通じて、奈良は他者、すなわち社会との関わりのなかで制作することを知り、自分が社会の一員であることを意識するようになる。
出典
- 奈良美智、豊嶋秀樹、川俣正「奈良美智+graf-『A to Z』への長い長い旅 巻頭鼎談」『美術手帖』57(871)、美術出版社、2005年、pp.18-24
- 加藤磨珠枝(聞き手)「奈良美智 ロングインタビュー」『奈良美智完全読本 美術手帖全記事 1991-2013』美術出版社、2013年、p.563
- クーン、河野『終わらないものがたり』pp.140-155
Loading gallery...
社会の出来事
- 2003
- 3月、米英連合軍がイラクへの侵攻を開始。3月、『千と千尋の神隠し』が第75回アカデミー賞長編アニメ部門賞を受賞。6月、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレが開幕。10月、森美術館が六本木ヒルズ内に開館。