Chronology
2014 54-55歳
父親の死後、独りになった母親を心配して、たびたび故郷の青森県へ帰省するようになる。母親と昔話をする中で、好きだった母方の祖父が農閑期にサハリンや千島列島へ働きに行っていたことを知り、奈良は北方に興味を持つ。編集者から紹介を受け、以前から北の地に関心のあった写真家・石川直樹とともに、青森、北海道、サハリンへと向かう。旅で撮影した写真や、自身を形作ってきた書籍、レコード、CDなどを集め、翌年にワタリウム美術館(東京)で石川との二人展「ここより北へ」を開催した。
セルフビルドで建てられた集合住宅にある沢田マンションギャラリー(高知)で、個展「3日間の奈良美智・ドローイングショウ」を開催。ギャラリーメンバーとのSNSでのやり取りをきっかけに実現したこの展覧会は、その後も続いていく地方の小さな共同体との協働へとつながる起点となった。
「集団的自衛権の限定的な行使の容認」が閣議決定される。この決定は、翌年の安全保障関連法の成立へと結びつき、戦後日本の政策における大きな転換点となった。こうした世相を受けて、奈良の作品に初期から一貫して込められてきた反戦のメッセージにあらためて注目が集まる。その思想を内包する作品を収めた作品集『NO WAR!』(美術出版社)が刊行された。
出典
- 『疾駆』10、p.28
- 奈良美智「サハリン/樺太 I」『ユリイカ 総特集*奈良美智の世界』pp.206-216
- クーン、河野『終わらないものがたり』pp.227-245
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社会の出来事
- 2014
- 3月、ロシアがウクライナのクリミアを併合。7月、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定。